Tougasaki's Xiaoxue Laboratory

ようこそ、東ヶ崎祐一 (とうがさき ゆういち) の電網上研究室へ。
ここでは私の仕事・研究に関する情報を扱っております。
Japanese/Korean
 
 
 
 
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& T. Xiaoxue Laboratory
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研究

研究分野

日本語表記論

 日本語は世界の言語の大部分がそうであるように、もともと文字を持たず、最初に日本語を表記した文字は、中国から伝来した漢字でした。
 最初は漢字の日本語風の読み方(音)やその字の意味に相当する日本語(訓)を用いて、日本語を書いていました(いわゆる万葉仮名もその1つ、漢字を表音に特化した形で使ったもの)が、のちには漢字の省略形を用いて、日本語を表記するようになります。ところが、その方法には最初から「漢字の草書体をさらに略したもの(いわゆる平仮名)」と「漢字の一部を取り出したり省略したりしたもの(いわゆる片仮名)」の2通りの形式があり、一方が一方を駆逐することなく(使われる場が異なっていたので)、それどころか機能を分担して、現代まで共存することとなりました。現代の日本語表記では、平仮名・片仮名に加えて、漢字、そしてローマ字を交え、世界でもまれに見る複雑な書記体系となっています。
 実は、平仮名・片仮名などの「仮名」は、近代の一時期まで、一音節を表す文字が1つではなく、複数の字が混在していました。1900年の「小学校令」で、学校教育における仮名は1音節につき1文字のみとなり、そのほかの仮名は「変体仮名」と呼ばれ、公教育の場からは姿を消しました(実際の言語生活から消滅するのは戦後になってから)。現在でも看板等でわずかに見ることはできますが、もはや歴史的なことを研究する学者や仮名書道を嗜んでいる人ぐらいしか、読める人もいなくなっています。
 ただし、一音節を表す文字に複数があった時代にも、全くそれらを区別なく使っていたわけではなく、言葉や文章の位置によって、使い分けや機能があったようです。現在の研究では、そのような仮名の使い方についての研究も進められていますが、私もこれに関心があり、少しばかり研究を行っています。今は倭学書(朝鮮で使われた日本語の教科書)で、かながどのように扱われているか、どのような表記法があるのか、そのようなことを中心に研究を進めています。

中国語音韻論 ——中国語の通時的変化について——

 中国語の古い資料(漢文の資料)から、音を記したと思われる部分を集め、それをもとに研究をしています。さらに現代の言語学・音韻論の成果であるさまざまな理論の助けを借りて、ある時代の言葉の音がどうであったのか復元することを研究の目標にしています。
 現在主に取り組んでいるのは、『説文解字繋伝』という本の中の音表記(反切)に反映された10世紀ごろの音韻についてです。個々のデータについてはほぼ収集が終了したのですが、整理がなかなか進んでいません。

漢字教育

 日本語教育の中の、漢字教育について最近関心があります。特に「漢字の書き間違い」に関心を持っております。
 小さい頃見た昆虫図鑑の中に、昆虫の標本の1例として「羽根のぼろぼろになったチョウの図鑑」というのがあり、強い印象を受けました。どのようにぼろぼろになるのか、どのくらいぼろぼろになったら飛べなくなるのか、なども立派な観察対象になる、との解説がついていました。
 それ以来完全な美しいものだけでなく、間違い、不完全なもの、街で見かけたおかしなものにも興味が引かれるようになりました。「漢字の書き間違い」についても、単に自分が教育の一環としてのそれに関心があるからというだけでなく、羽根の破れたチョウを集めているような気分でやっている、というのもあります。この2つを一緒にするのは語弊があるのですが……。
 閑話休題、漢字という複雑な文字を学習する際には、日本人の子供でも外国人学習者でも必ずいろいろな「間違い」を起こします。そのような間違いにはどのようなパターンが多いか、学習者のグループによってどのような傾向が見られるかを研究し、教科書等に反映させられないかと考えています。更に進んで究極的には、人間はどのように文字を認識しているか、というところにまでつなげることができればいいな、と思っています。

今までに発表した論文

1993「万葉仮名「閇・米」について ——中古漢字音の音変遷に関連して——」
『東北大学日本語学科論集』第3号, pp.61-70
1995「わたり音共起形に起こった上古漢語の音変化について」
『東北大学日本語学科論集』第5号, pp.73-84
1999「繋伝反切における匣母、云母、喩母」
『東北大学言語学論集』第8号, 東北大学言語学研究会、pp.35-52
2000「繋伝反切における資思類」
『文化』第64巻第1・2号(2000.10.12)東北大学文学会、pp.44-56
2003「『説文解字繋伝』にみられる反切下字混用——梗摂入声と曽摂入声、および外転一等韻と二等韻の間の——」
『中国語学』250号(2003.10.25)日本中国語学会、pp.32-49
※2004年度日本中国語学会奨励賞受賞論文
2005「『鶏林類事』与宋代中国語音」(論文は日本語)
『韓国的中国語言学資料研究』(厳翼相・遠藤光暁 編、2005.11.22)学古房、韓国、pp.263-286
2007「韓国人日本語学習者の漢字書き誤りの分類の試み」
『日本語學研究』第18輯(2007.3)韓国日本語学会、pp.113-130
2009「『重刊改修捷解新語』における仮名の使用状況」
『日本語學研究』第24輯(2009.3)韓国日本語学会、pp.155-177
2010「『捷解新語文釈』の表記について —仮名を中心に—」
『譯學과 譯學書』創刊號(2010.3)訳学書学会、pp.39-71
2013「『隣語大方』朝鮮刊本における仮名遣いについて」
『日語日文學研究』84-1(2013.2)韓国日語日文学会、pp.485-507
2013「『隣語大方』朝鮮刊本に現れる仮名表記の2区分」
『日本言語文化』第26輯(2013.12)韓国日本言語文化学会、pp.375-394
2015「『隣語大方』朝鮮刊本頭註の片仮名表記について」
『日語日文學研究』93-1(2015.5)韓国日語日文学会、pp.181-205
2016「倭学書の日本語にみられる傍線表記」
『日本言語文化』第37輯(2016.12)韓国日本言語文化学会、pp.37-56
2017「『朝鮮語訳』日本語文にみられる弧線符号について」
『日語日文學研究』101-1(2017.5)韓国日語日文学会、pp.127-144
2017「李衡祥『字学』の「倭諺」について」
『日語日文學研究』103-1(2017.12)韓国日語日文学会、pp.73-90

学会発表等

1995「わたり音共起制約と上古漢語の音変化について」
第110回日本言語学会大会(1995.6.11 早稲田大学)
1996「中国語陽谷方言のr化形の変異について」
第113回日本言語学会大会(1996.10.27 北海道大学)
1999「『説文解字繋伝』の反切にみられる音韻的揺れ」
第119回日本言語学会大会(1999.11.28 神戸松蔭女子学院大学)
2004「韓国の日本語漢字教科書における問題点」
第10回韓国日本語学会学術発表大会(2004.9.18 韓国 誠信女子大学)
2005「『鶏林類事』と宋代中国語音」
第一届韓日中国語学国際会議(2005.3. 26 韓国 漢陽大学校)
2006「韓国人日本語学習者の漢字書き誤りの分類の試み」
第14回韓国日本語学会学術発表大会(2006.9.23 韓国 東国大学校)
2009「『捷解新語文釈』の表記について ——仮名を中心に——」
訳学書学会創立総会及び学術発表会(2009.9.12 韓国 又石大学校)
2010「『隣語大方』朝鮮刊本の仮名遣いについて」
韓国日語日文学会2010年度冬季学術大会(2010.12.18 韓国 建国大学校)
2012「近世出版物にみられる平仮名「ね」の特殊な字体について」
韓国日語日文学会2012年度秋季学術大会(2012.10.13 韓国 明知大学校)
2013「『隣語大方』朝鮮刊本に現れる仮名の用法について」
韓国日本言語文化学会2013年度春季国際学術大会(2013.6.1 韓国 慶煕大学校)
2013「『隣語大方』朝鮮刊本と『捷解新語文釈』に現れる仮名およびその用字法の比較」
韓国日語日文学会2013年度秋季国際学術大会(2013.10.12 韓国 祥明大学校)
2014「『隣語大方』朝鮮刊本における拗音の表記について」
韓国日本言語文化学会2014年度秋季国際学術大会(2013.11.1 韓国 仁荷大学校)
2014「『隣語大方』朝鮮刊本頭注の片仮名表記について」
韓国日語日文学会2014年度冬季国際学術大会(2014.12.20 韓国 嘉泉大学校)
2015「『隣語大方』『交隣須知』の日本語にみられる傍線表記」
韓国日本言語文化学会2015年度春季国際学術大会(2015.5.9 韓国 仁川大学校)
2016「『朝鮮語訳』日本語文にみられる弧線符号について」
韓国日語日文学会2016年春季国際学術大会(2016.4.23 韓国 慶熙大学校)
2017「李衡祥『字學』の「倭諺」について」
韓国日語日文学会2017年夏季国際学術大会(2017.6.10 韓国 嘉泉大学校)
2018「朝鮮資料に現れる片仮名」
日本語学会2018年度春季大会(2018.5.20 日本 明治大学)
2018「『兒學編』にみられる日本語の文字と表記について」
韓国日本語学会第38回国際学術発表大会(2018.9.15 韓国 中央大学校)
2018「李衡祥『謏聞雜乘』の「倭諺」について ――『字學』との比較――」
韓国日語日文学会2018年冬季国際学術大会(2018.12.15 韓国 明知大学校)

その他、研究ノート等

2008「『説文解字繋伝』反切校勘記(1)—三本異同考・上—」
『東北大学言語学論集』第17号, 東北大学言語学研究会、pp. 111-137
2009「『説文解字繋伝』反切校勘記(2)—三本異同考・下—」
『東北大学言語学論集』第18号, 東北大学言語学研究会、pp. 59-88
2016「『説文解字繋伝』反切校勘記(3)—内的再構による—」
『東北大学言語学論集』第24号, 東北大学言語学研究会、pp. 69-93
2017「『説文解字繋伝』反切校勘記(4)—内的再構による—」
『東北大学言語学論集』第26号, 東北大学言語学研究会、pp. 25-46

所属学会

日本言語学会日本語学会日本中国語学会韓国日語日文学会韓国日本語学会など

中国音韻学とは??

 私の研究分野は、伝統的に「中国音韻学」と呼ばれています。
 中国には数多くの古典がありますが、その古典を読むための道具として、言葉を扱う学問「小学」が古くからありました。このサイトの題名の "Xiaoxue" は、その現代中国語読みです(「しょうがく」だと、小学校などと紛らわしい......)。
小学にはさらに3つの分野があります。

私が研究しているのは、このうちの「音韻学」に当たるものです。
 中国には「この漢字をどういう音で読むか」を記した資料が古代から大量に存在しますが、なにぶん漢字が直接的に音を表す文字ではないので、具体的にそれらの音声がどうだったのかわかりません。そこで「昔はどういう音で漢字を読んでいたのか」を考える学問が特に発達しました。

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慶煕大学校(要韓国語フォント)
慶煕大学校外国語大学(要韓国語フォント)
慶煕大学校外国語大学日本語学科(要韓国語フォント)
東北大学
東北大学大学院文学研究科・東北大学文学部
東北大学文学部言語学研究室

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中期朝鮮語研究室
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2019.9.26 更新